歯周疾患の総合的診断プログラム(FSPD34型)の信頼性と妥当性の検討(3) : 構成概念妥当性の検討

著者らは,企業における健康づくり型歯科保健事業の試みとしてプリシード・プロシードモデル(以下MIDORI理論)を構成概念の枠組みとして採用し,歯周疾患にまつわる諸要因を総合的に評価することができる診断プログラムを開発した。今回は,抽象的構成概念であるMIDORI理論を構成する各要因が,このフレームワークのなかでの適切な評価を可能とするものになっているかを検証をするために,構成概念妥当性の検討を行った。分析の対象となるデータは,20歳台から60歳台までの工場勤務者(平均年齢39.4歳:S.D.=10.5)から得られた324名の質問紙である。解析は共分散構造分析で行った。共分散構造分析は,LISR...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 50; no. 3; pp. 334 - 340
Main Authors 中村, 譲治, 堀口, 逸子, 筒井, 昭仁, 鶴本, 明久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2000
日本口腔衛生学会
Japanese Society for Oral Health
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.50.3_334

Cover

More Information
Summary:著者らは,企業における健康づくり型歯科保健事業の試みとしてプリシード・プロシードモデル(以下MIDORI理論)を構成概念の枠組みとして採用し,歯周疾患にまつわる諸要因を総合的に評価することができる診断プログラムを開発した。今回は,抽象的構成概念であるMIDORI理論を構成する各要因が,このフレームワークのなかでの適切な評価を可能とするものになっているかを検証をするために,構成概念妥当性の検討を行った。分析の対象となるデータは,20歳台から60歳台までの工場勤務者(平均年齢39.4歳:S.D.=10.5)から得られた324名の質問紙である。解析は共分散構造分析で行った。共分散構造分析は,LISREL分析(線形構造関係分析)のなかの多重指標モデルによる最尤法を採用した。LISREL分析の結果,総合的な因果モデルの適合性の指標であるGoodness of Fit Index (GFI)は0.824と比較的高く,算出された因果係数も構成概念である潜在変数とそれらの因果の連鎖性を矛盾なく説明していた。開発した診断プログラムはMIDORI理論に適合しており,企業における歯周病の解決のための問題点を診断できることを示していた。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.50.3_334