筋力増強トレーニングが骨代謝動態に与える影響 : 若年成人女性を対象とした比較対照試験
「1. 緒言」骨粗鬆症による骨折の予防の観点から, 骨強度を高めることは重要である. 従来, 女性における骨折の危険因子として, 閉経後のエストロゲン欠乏による骨強度低下が問題視され, 閉経後女性に対する骨強度維持が重要とされてきた. しかし近年, 閉経前の若年女性において骨強度を高めることで, 高齢期における骨強度低下に備えることが重要視されており1), 若年期における骨強度増大のための方策の確立が課題となっている. 骨強度を決定する要因には量的要素と質的要素があり, 量的要素の評価としては骨密度の測定が標準化されている1). 一方, 質的要素としては骨代謝回転, 微細構造, 微小骨折, 石...
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Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 14; no. 4; pp. 163 - 169 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生理人類学会
2009
Japan Society of Physiological Anthropology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
DOI | 10.20718/jjpa.14.4_163 |
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Summary: | 「1. 緒言」骨粗鬆症による骨折の予防の観点から, 骨強度を高めることは重要である. 従来, 女性における骨折の危険因子として, 閉経後のエストロゲン欠乏による骨強度低下が問題視され, 閉経後女性に対する骨強度維持が重要とされてきた. しかし近年, 閉経前の若年女性において骨強度を高めることで, 高齢期における骨強度低下に備えることが重要視されており1), 若年期における骨強度増大のための方策の確立が課題となっている. 骨強度を決定する要因には量的要素と質的要素があり, 量的要素の評価としては骨密度の測定が標準化されている1). 一方, 質的要素としては骨代謝回転, 微細構造, 微小骨折, 石灰化の程度などが挙げられる1). 質的要素を定量的に評価する方法の1つとして骨代謝マーカーがあり, 骨密度とともに骨折リスクを示す指標として優れている2). 骨代謝マーカーは, 破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成とからなる骨代謝を評価できる. |
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ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
DOI: | 10.20718/jjpa.14.4_163 |