視神経炎の診断―抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎と抗アクアポリン4抗体陰性視神経炎

難治性視神経症としての抗アクアポリン4(aquaporin-4:AQP4)抗体陽性視神経炎は広く臨床医に知られるようになり,抗AQP4抗体検査は外注検査で行えるようになった.抗AQP4抗体陽性視神経炎症例がより多く診断される環境が整ったようにも思えるが,抗AQP4抗体陽性視神経炎を的確に診断するには,まず視神経炎を的確に診断できなければならない.本稿では,まず臨床所見およびMRI所見から行う視神経炎の診断について述べる.さらに,neuromyelitis optica spectrum disordersの診断基準を踏まえた抗AQP4抗体陽性視神経炎の診断について述べる.最後に,抗AQP4抗体...

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Published inNeuro-Ophthalmology Japan Vol. 34; no. 3; pp. 267 - 273
Main Author 植木, 智志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.09.2017
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.34.267

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Summary:難治性視神経症としての抗アクアポリン4(aquaporin-4:AQP4)抗体陽性視神経炎は広く臨床医に知られるようになり,抗AQP4抗体検査は外注検査で行えるようになった.抗AQP4抗体陽性視神経炎症例がより多く診断される環境が整ったようにも思えるが,抗AQP4抗体陽性視神経炎を的確に診断するには,まず視神経炎を的確に診断できなければならない.本稿では,まず臨床所見およびMRI所見から行う視神経炎の診断について述べる.さらに,neuromyelitis optica spectrum disordersの診断基準を踏まえた抗AQP4抗体陽性視神経炎の診断について述べる.最後に,抗AQP4抗体陽性視神経炎を除外した視神経炎を仮に抗AQP4抗体陰性視神経炎と定義すると,これにはさまざまな臨床的特徴を持った視神経炎が含まれるが,既報の典型的視神経炎・非典型的視神経炎の分類および近年のさまざまな視神経炎の治療トライアルの組み入れ基準から抗AQP4抗体陰性視神経炎の鑑別診断について考察する.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.34.267