不安喚起状況下における心拍変化の時系列解析

嫌悪刺激到来予測状況下における心拍の時系列変化パターンを検討するため,予測可能性・制御可能性・選択可能性のそれぞれ異なる3種の実験データを,主因子分析を用い解析した。その結果,3つの時系列因子が抽出され,これに心拍水準の因子を加えた4つの因子で,心拍変化のほとんどが説明されることがわかった。しかも,これら因子抽出のもとになる相関行列はシンプレックス構造をしめしており,各因子によって代表される時系列変化パターンは極めて安定したものだといえよう。各実験条件により喚起される情動反応の違いを,抽出された因子の因子得点の違いとして表現することは,時系列因子の信憑性から考えても合理的な方法と考えられる。...

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Published in行動療法研究 Vol. 11; no. 1; pp. 23 - 33
Main Author 生和, 秀敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.09.1985
日本行動療法学会
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.11.1_23

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Summary:嫌悪刺激到来予測状況下における心拍の時系列変化パターンを検討するため,予測可能性・制御可能性・選択可能性のそれぞれ異なる3種の実験データを,主因子分析を用い解析した。その結果,3つの時系列因子が抽出され,これに心拍水準の因子を加えた4つの因子で,心拍変化のほとんどが説明されることがわかった。しかも,これら因子抽出のもとになる相関行列はシンプレックス構造をしめしており,各因子によって代表される時系列変化パターンは極めて安定したものだといえよう。各実験条件により喚起される情動反応の違いを,抽出された因子の因子得点の違いとして表現することは,時系列因子の信憑性から考えても合理的な方法と考えられる。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.11.1_23