舌苔スコアによる口臭スクリーニングの有効性に関する研究

本研究では,口臭の一原因とされ,また口臭と密接な関係がある舌苔に着目し,視診による舌苔の付着範囲の評価(舌苔スコア)が口臭のスクリーニングの指標として有効であるか否かを検討した。大学生10名を対象に,官能検査とポータブルサルファイドモニターによる口臭の測定,舌苔スコアの診査,舌苔湿重量の測定からなる調査を行った。その結果,口臭強度(官能スコア, VSC濃度)と舌苔湿重量間,舌苔湿重量と舌苔スコア間,舌苔スコアと口臭強度間に正の相関関係が認められた。また,高校生108名を対象に,ポータブルサルファイドモニターによる口臭の測定,舌苔スコアの診査からなる調査を行った。その結果, VSC濃度と舌苔スコ...

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Published inJOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 52; no. 1; pp. 12 - 21
Main Authors 米満, 正美, 相澤, 文恵, 南, 健太郎, 岸, 光男, 森谷, 俊樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2002
日本口腔衛生学会
Japanese Society for Oral Health
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.52.1_12

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Summary:本研究では,口臭の一原因とされ,また口臭と密接な関係がある舌苔に着目し,視診による舌苔の付着範囲の評価(舌苔スコア)が口臭のスクリーニングの指標として有効であるか否かを検討した。大学生10名を対象に,官能検査とポータブルサルファイドモニターによる口臭の測定,舌苔スコアの診査,舌苔湿重量の測定からなる調査を行った。その結果,口臭強度(官能スコア, VSC濃度)と舌苔湿重量間,舌苔湿重量と舌苔スコア間,舌苔スコアと口臭強度間に正の相関関係が認められた。また,高校生108名を対象に,ポータブルサルファイドモニターによる口臭の測定,舌苔スコアの診査からなる調査を行った。その結果, VSC濃度と舌苔スコア間に正の相関関係があること,舌苔スコア2,3の被検者群はVSC濃度が高くなることを確認した。舌苔スコアによる口臭のスクリーニングを評価するために,舌苔スコアが0,1の者は口臭が陰性,2,3の者は口臭が陽性とした。実際に口臭がある場合をVSC濃度が150 ppb以上とした。スクリーニングの結果は,口腔活動がVSC濃度に与える影響が小さい11 : 00〜13 : 00 において敏感度が55%,特異度が71%であった。両研究において口臭と舌苔スコアの密接な関係を確認できた。そして舌苔スコアによる口臭スクリーニングの評価より,舌苔スコアが被検者の1日の生活における口臭の有無の目安になることが示唆された。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.52.1_12