事業所の男性従業員における歯周疾患と生活習慣要因および医学的検査値に関する横断的研究
歯周疾患は我が国の成人の80%が罹患している頻度の高い疾患である1). 歯周疾患の病因と発症の原因としては, 従来は宿主の抵抗性と病因との相互関係として捉えられてきた. 動物実験や臨床研究では歯周疾患は歯垢中の歯周病原細菌, Actinobacillus actionomycetemcomitans, Porphyromonas gingivalis, Prevotella intermedia等によって発症し進行する細菌感染症であり, これらの菌が, 歯肉溝の中で異常に増殖すると歯肉が腫張し, 付着部が歯面から剥離し, 続いて歯周ポケットが形成され, 歯槽骨の破壊が起こることが知られている2...
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Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 5; no. 2; pp. 89 - 94 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生理人類学会
2000
Japan Society of Physiological Anthropology |
Subjects | |
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ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
DOI | 10.20718/jjpa.5.2_89 |
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Summary: | 歯周疾患は我が国の成人の80%が罹患している頻度の高い疾患である1). 歯周疾患の病因と発症の原因としては, 従来は宿主の抵抗性と病因との相互関係として捉えられてきた. 動物実験や臨床研究では歯周疾患は歯垢中の歯周病原細菌, Actinobacillus actionomycetemcomitans, Porphyromonas gingivalis, Prevotella intermedia等によって発症し進行する細菌感染症であり, これらの菌が, 歯肉溝の中で異常に増殖すると歯肉が腫張し, 付着部が歯面から剥離し, 続いて歯周ポケットが形成され, 歯槽骨の破壊が起こることが知られている2). さらに, 疫学的研究では歯周疾患の頻度と重篤度は年齢および口腔の衛生状態の程度に比例することが報告されており, 歯周疾患の予防は主に歯垢(細菌性プラーク)の除去に重点がおかれてきた. 平岩ら3)は百貨店従業員に対する歯の刷掃指導により1年後に所見のある歯肉部位の76%の改善を報告している. また, 吉田ら1)も同様な結果を示している. |
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ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
DOI: | 10.20718/jjpa.5.2_89 |