社会保険診療報酬明細書をもとにした歯周治療の推移
歯科医療保険における歯周治療の現状を把握するため,厚生省社会医療診療行為別調査を資料として用いた。分析対象は,昭和55,58,60年,平成2,6年の厚生省社会医療診療行為別調査に用いられた歯科診療所分の診療報酬明細書のデータのうち,歯周治療に関する記載のある項目を抽出し,分析した。その結果,以下の知見を得た。1.歯周治療の項目が記載されている診療報酬明細書の割合は,昭和55〜60年まで減少したが,その後は増加し,平成6年では52%を占めた。歯周治療に記載のある診療報酬明細書において,歯周治療にかかる平均点数は,昭和55年から調査年ごとに増加した。平成6年では294点で,平均総点数の17%を占め...
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Published in | JOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 52; no. 1; pp. 22 - 27 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
2002
日本口腔衛生学会 Japanese Society for Oral Health |
Subjects | |
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ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
DOI | 10.5834/jdh.52.1_22 |
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Summary: | 歯科医療保険における歯周治療の現状を把握するため,厚生省社会医療診療行為別調査を資料として用いた。分析対象は,昭和55,58,60年,平成2,6年の厚生省社会医療診療行為別調査に用いられた歯科診療所分の診療報酬明細書のデータのうち,歯周治療に関する記載のある項目を抽出し,分析した。その結果,以下の知見を得た。1.歯周治療の項目が記載されている診療報酬明細書の割合は,昭和55〜60年まで減少したが,その後は増加し,平成6年では52%を占めた。歯周治療に記載のある診療報酬明細書において,歯周治療にかかる平均点数は,昭和55年から調査年ごとに増加した。平成6年では294点で,平均総点数の17%を占めた。2.歯周治療を,指導・管理,歯周組織検査,歯周処置,消炎処置,歯周外科に分類し,診療報酬明細書の件数割合の推移を分析した結果,指導・管理のみが増加していた。さらに,歯周処置の各項目(歯石除去,盲嚢掻爬,歯周疾患処置,歯周初期治療<昭和60年から>,暫間固定)の診療報酬明細書の件数割合では,歯周疾患処置および歯周初期治療が経年的に増加していた。3.平成6年について,歯周治療の診療項目別割合を年齢階級別にみると,2O歳以上70歳末満では,どの年齢層も,指導・管理,歯周組織検査,歯周処置,歯周外科,消炎処置がほぼ同じ割合で算定されていた。歯周治療に関する平均点数は40歳以上50歳未満の年齢層で一番高く366点であった。 |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.52.1_22 |