広場恐怖を伴うパニック障害に対する集団認知行動療法プログラムの効果 : 地域の心理相談室における検討(原著,<特集>プライマリーケアと行動療法・認知行動療法)

本研究は、地域の心理相談室において、広場恐怖を伴うパニック障害(PDA)に対する集団認知行動療法(CBGT)プログラムの効果を検討することを目的とした。プログラムは基礎編、準備編、実践編IとII、および2か月後のフォローアップから成り立っており、セミナー形式で行われた。対象者は東京近郊にあるW大学の心理相談室が主催したセミナーに参加した女性10名であった。プログラムの効果を検討したところ、CBGTは参加者の回避行動と主観的不安の改善、および生理的覚醒といったパニック障害の一次的症状の改善に有効であることが明らかにされた。また、それらの改善はセミナー終了後にも引き続いていたことから、本プログラム...

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Published in行動療法研究 Vol. 28; no. 1; pp. 1 - 13
Main Authors 陳, 峻雲, 貝谷, 久宣, 野村, 忍, 坂野, 雄二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.03.2002
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.28.1_1

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Summary:本研究は、地域の心理相談室において、広場恐怖を伴うパニック障害(PDA)に対する集団認知行動療法(CBGT)プログラムの効果を検討することを目的とした。プログラムは基礎編、準備編、実践編IとII、および2か月後のフォローアップから成り立っており、セミナー形式で行われた。対象者は東京近郊にあるW大学の心理相談室が主催したセミナーに参加した女性10名であった。プログラムの効果を検討したところ、CBGTは参加者の回避行動と主観的不安の改善、および生理的覚醒といったパニック障害の一次的症状の改善に有効であることが明らかにされた。また、それらの改善はセミナー終了後にも引き続いていたことから、本プログラムは参加者のセルフ・コントロール能力の向上にも効果的'であった。本研究の結果から、CBGTプログラムは患者の生活環境に密着した地域の心理相談室といった場におけるパニック障害の治療にも効果的であることが示唆された。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.28.1_1