下行大動脈瘤食道穿破に対して SB チューブ,ステントグラフト内挿術によって救命しえた一例

「要旨」 下行大動脈瘤食道穿破に伴って出血性ショックとなった症例に対して, 経鼻的SBチューブ挿入によって止血を得ることでステントグラフト内挿術を行って救命することができた. 胃食道静脈瘤破裂の止血に用いるSBチューブを使用することで救命が困難である下行大動脈瘤食道穿破に対して止血が行えたことより, ステントグラフト内挿術と合わせ今後もSBチューブの使用を考慮すべきである. 『本症例報告に際し, 所属機関の承認を得た』 症例 : 73歳男性, 身長165cm 体重58kg 既往歴 : 高血圧, 高脂血症, 糖尿病 現病歴 : 突然の吐血を主訴に近医を受診. 緊急上部消化管内視鏡にて門歯より30...

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Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 19; no. 1; pp. 17 - 20
Main Authors 多羅尾, 健太郎, 井出, 旭, 孫, 慶淑, 斉藤, 渓, 岡崎, 純子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 2015
日本心臓血管麻酔学会
Japanese Society of Cardiovascular Anesthesiologists
Subjects
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ISSN1342-9132
1884-7439
DOI10.11478/jscva.2014-3-004

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Summary:「要旨」 下行大動脈瘤食道穿破に伴って出血性ショックとなった症例に対して, 経鼻的SBチューブ挿入によって止血を得ることでステントグラフト内挿術を行って救命することができた. 胃食道静脈瘤破裂の止血に用いるSBチューブを使用することで救命が困難である下行大動脈瘤食道穿破に対して止血が行えたことより, ステントグラフト内挿術と合わせ今後もSBチューブの使用を考慮すべきである. 『本症例報告に際し, 所属機関の承認を得た』 症例 : 73歳男性, 身長165cm 体重58kg 既往歴 : 高血圧, 高脂血症, 糖尿病 現病歴 : 突然の吐血を主訴に近医を受診. 緊急上部消化管内視鏡にて門歯より30cmの食道に動脈性の出血が認められたが, 内視鏡的止血は困難であった. 3次救命施設に転院したが出血に伴いショック状態となり, 意識混濁が出現し, 気管挿管, 輸血製剤の急速投与が行われた. その後, 下行大動脈瘤の食道穿破が疑われたため, 手術目的にて当院ヘドクターヘリで搬送された.
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2014-3-004