卒前教育における物理療法学の教育到達目標と教育内容の提言

「はじめに」 卒前の物理療法学教育では, 臨床において物理療法と運動療法, 義肢装具療法, 日常生活活動指導等を適宜, 組み合せることによる複合効果に基づく総合的な理学療法の臨床効果が倍増し, 患者の社会復帰・社会参加という目標に向かううえでより有効であることに関して学生の理解を深めることに力点を置くことが重要となる. 一方, 内田らは, 物理療法を実施しない理由には効果が不確実, 保険点数の加算がない, 適応がない, 機器が高価などを報告している. この点を踏まえて臨床現場の現実と将来展望に立った卒前教育を実践することが不可欠である. 一方, 卒前教育において卒後教育につながる物理療法の成功...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 8; pp. 785 - 786
Main Authors 鈴木, 順一, 松谷, 綾子, 川村, 博文, 八木, 範彦, 川勝, 邦浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.42-8_091

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Summary:「はじめに」 卒前の物理療法学教育では, 臨床において物理療法と運動療法, 義肢装具療法, 日常生活活動指導等を適宜, 組み合せることによる複合効果に基づく総合的な理学療法の臨床効果が倍増し, 患者の社会復帰・社会参加という目標に向かううえでより有効であることに関して学生の理解を深めることに力点を置くことが重要となる. 一方, 内田らは, 物理療法を実施しない理由には効果が不確実, 保険点数の加算がない, 適応がない, 機器が高価などを報告している. この点を踏まえて臨床現場の現実と将来展望に立った卒前教育を実践することが不可欠である. 一方, 卒前教育において卒後教育につながる物理療法の成功体験, 達成感体験, 熟練体験をどのように学内教育, 臨床実習教育に組みこんでいくかが鍵を握ることにもなる. このように臨床マインドを育成しつつ学術的側面の教育を果たすためには, 卒前教育における学内教育と臨床実習教育は密接な連携を図り, 教育到達目標をめざし効果的な教育を果たしていくことが重要である.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.42-8_091