NIPPON DATAから得られた予防の視点

I. はじめに NIPPON DATA(National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease And its Trends in the Aged)は, その追跡開始が1994年の秋であった. NIPPON DATA80とNIPPON DATA90はそれぞれ厚生労働省の循環器疾患基礎調査1980年と1990年の二つのコホートを追跡したものである1, 2). 現在まで, 何とか追跡ができる研究費が厚生労働科研や循環器病委託研究費等で付き, 日本循環器管理研究協議会に集う研究者を中心と...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Cardiovascular Disease Prevention Vol. 42; no. 2; pp. 134 - 139
Main Author 上島, 弘嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本循環器管理研究協議会 2007
日本循環器管理研究協議会
The Japanese Association for Cerebro-cardiovascular Disease Control
Online AccessGet full text
ISSN1346-6267
DOI10.11381/jjcdp2001.42.134

Cover

More Information
Summary:I. はじめに NIPPON DATA(National Integrated Project for Prospective Observation of Non-communicable Disease And its Trends in the Aged)は, その追跡開始が1994年の秋であった. NIPPON DATA80とNIPPON DATA90はそれぞれ厚生労働省の循環器疾患基礎調査1980年と1990年の二つのコホートを追跡したものである1, 2). 現在まで, 何とか追跡ができる研究費が厚生労働科研や循環器病委託研究費等で付き, 日本循環器管理研究協議会に集う研究者を中心として継続実施され今日に至っている. ここでは, NIPPON DATA80/90の両研究から得られた知見をもとに, 循環器疾患予防の視点を述べてみる. II. NIPPON DATAの特徴 NIPPON DATAは国民を代表する集団である点, 比較的多人数を追跡している点, その追跡率の高い点において優れている(図1). 限界は, 発症を追跡しているのではなく, 死亡である点である. しかし, 65歳以上の生存者に対する日常生活動作能(ADL)と「生きがい, 幸福感, 満足感」などの主観的生活の質(QOL)は追跡しており, 健康長寿を分析できる1, 2).
ISSN:1346-6267
DOI:10.11381/jjcdp2001.42.134