歯の健康記録手帳「歯のパスポート」を用いた8020運動支援"6歳臼歯保護育成事業"の効果測定

本研究は「歯のパスポート」手帳を用いた6歳臼歯保護育成事業参加者と参加していない者の第一大臼歯のう蝕罹患状況の評価をすることを目的に行った.  愛知県T市の11小学校に通学していた「歯のパスポート」利用者198名,および利用しなかった対照児童406名について分析し,小学校2年生から6年生にかけてのう蝕罹患状況を比較した.  その結果,「歯のパスポート」を用いて歯科医院にて第一大臼歯の管理を行った児童は,用いなかった児童に比べ第一大臼歯の一人平均DF歯数,う蝕罹患者率が低かった.さらに2年生時から6年生時に「歯のパスポート」を利用しなかった対照児童に対して,利用児童における第一大臼歯のDF歯数増...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 63; no. 1; pp. 28 - 34
Main Authors 中根, 理, 平岩, 清貴, 大澤, 六也, 大澤, 守, 服部, 基一, 近藤, 英明, 森田, 一三, 中垣, 晴男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 30.01.2013
日本口腔衛生学会
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Summary:本研究は「歯のパスポート」手帳を用いた6歳臼歯保護育成事業参加者と参加していない者の第一大臼歯のう蝕罹患状況の評価をすることを目的に行った.  愛知県T市の11小学校に通学していた「歯のパスポート」利用者198名,および利用しなかった対照児童406名について分析し,小学校2年生から6年生にかけてのう蝕罹患状況を比較した.  その結果,「歯のパスポート」を用いて歯科医院にて第一大臼歯の管理を行った児童は,用いなかった児童に比べ第一大臼歯の一人平均DF歯数,う蝕罹患者率が低かった.さらに2年生時から6年生時に「歯のパスポート」を利用しなかった対照児童に対して,利用児童における第一大臼歯のDF歯数増加の相対危険度は0.54(0.35-0.83)であり,「歯のパスポート」の利用者は第一大臼歯のDF歯数の増加が少なかった.  以上から「歯のパスポート」利用者は第一大臼歯のう蝕増加が少なかったと結論される.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.63.1_28