久山町研究からみたメタボリックシンドロームの重要性
「はじめに」以前より, 動脈硬化の古典的な危険因子である肥満, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症は合併しやすいことが知られていた. Reavenは, この現象の基盤にある病態をインスリン抵抗性と考え, 1988年にリスク重積症候群の概念をsyndrome Xとして発表した1). その後, 死の四重奏, インスリン抵抗性症候群, 内臓脂肪症候群など, 同じような考えがさまざまな名称で提唱されたため, これを統一する目的で1999年にWHOがメタボリックシンドローム(MetS)という名称とともに新たな定義を発表した(表1)2). 同じ年にEuropean Group for the Study of...
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Published in | Japanese Journal of Cardiovascular Disease Prevention Vol. 42; no. 2; pp. 117 - 123 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本循環器管理研究協議会
2007
日本循環器管理研究協議会 The Japanese Association for Cerebro-cardiovascular Disease Control |
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ISSN | 1346-6267 |
DOI | 10.11381/jjcdp2001.42.117 |
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Summary: | 「はじめに」以前より, 動脈硬化の古典的な危険因子である肥満, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症は合併しやすいことが知られていた. Reavenは, この現象の基盤にある病態をインスリン抵抗性と考え, 1988年にリスク重積症候群の概念をsyndrome Xとして発表した1). その後, 死の四重奏, インスリン抵抗性症候群, 内臓脂肪症候群など, 同じような考えがさまざまな名称で提唱されたため, これを統一する目的で1999年にWHOがメタボリックシンドローム(MetS)という名称とともに新たな定義を発表した(表1)2). 同じ年にEuropean Group for the Study of Insulin Resistance(EGIR)3)が, 2001年に米国のNational Cholesterol Education Program第三次成人管理基準(NCEP)4)が, それぞれ新たなMetSの診断基準を定義するとともに, 2005年にはわが国のMetS診断基準検討委員会5), International Diabetes Federation(IDF)6), American Heart Association/National Heart, Lung, and Blood Institute(AHA/NHLBI)7)からも新しい診断基準が相次いで発表された. さらに2006年にはIDFの診断基準の改定が行われている8). |
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ISSN: | 1346-6267 |
DOI: | 10.11381/jjcdp2001.42.117 |