看護学生のシミュレーション演習における観察項目とアセスメントに基づく演習方法の検討

【目的】開腹術後患者を設定したシミュレーション演習(演習)における呼吸及び循環に関する観察項目とアセスメントの内容を明らかにして、演習方法を検討する。【方法】看護系大学の 3、4 年生に対して演習を行い、25名分の記録用紙に記載された内容を分析した。演習は喫煙歴があり高血圧を既往にもつ開腹術後患者を設定した。対象者は、個人で全身麻酔による生体侵襲の学習を事前学習した後に、グループで知識を共有して演習では開腹術後患者の観察とアセスメントを行い、記録用紙に記載した。記録用紙は、2 年次の講義の際に使用したものと同様の形式とした。分析方法は、観察項目はテキスト分析を行い、アセスメントは質的に分析を行...

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Published in日本シミュレーション医療教育学会雑誌 Vol. 10; pp. 51 - 56
Main Authors 江㞍, 晴美, 荒川, 尚子, 中山, 奈津紀, 田口, 博子, 大屋, 富彦, 田中, 美帆, 富井, 友香, 山本, 司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション医療教育学会 2022
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Summary:【目的】開腹術後患者を設定したシミュレーション演習(演習)における呼吸及び循環に関する観察項目とアセスメントの内容を明らかにして、演習方法を検討する。【方法】看護系大学の 3、4 年生に対して演習を行い、25名分の記録用紙に記載された内容を分析した。演習は喫煙歴があり高血圧を既往にもつ開腹術後患者を設定した。対象者は、個人で全身麻酔による生体侵襲の学習を事前学習した後に、グループで知識を共有して演習では開腹術後患者の観察とアセスメントを行い、記録用紙に記載した。記録用紙は、2 年次の講義の際に使用したものと同様の形式とした。分析方法は、観察項目はテキスト分析を行い、アセスメントは質的に分析を行った。【結果】記載された呼吸に関する観察項目は、経皮的動脈血酸素飽和度(88%)、呼吸回数(56%)、呼吸音(48%)、などであった。循環に関する観察項目は、体温(84%)、血圧(76%)、末梢冷感(60%)などであった。また、患者の嗜好や既往歴から状態をアセスメントした記述は対象者の半数以下であった。【考察・結論】術後患者を設定した演習では、観察及びアセスメントの不足が明らかになった。prebriefing として、事前学習とシミュレーション学習を関連付けることで、観察とアセスメントを充実させる工夫や、時間配分の検討が必要と考える。
ISSN:2187-9281
2436-4452
DOI:10.50950/jasehp.2022-10-13