認知症予防のための運動効果とこれからの課題

「認知症予防の必要性」 認知症のおもな原因疾患であるアルツハイマー病および脳血管疾患に対する根治療法や予防薬の開発が確立されていない現在において, 非薬物療法による認知症の発症予防もしくは発症遅延の可能性を検討することは重要な課題と考えられる. 認知症の50~75%はアルツハイマー病に起因するものとされている. アルツハイマー病の発症リスクと関連する心身機能状態および生活習慣として, 高血圧, 糖尿病, 喫煙, うつ症状などが挙げられているが, なかでも身体的な不活動はもっとも影響力の強い因子であるとされている. また, 非薬物療法による認知症予防を目的とした介入方法として, 抗酸化物質や抗炎...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 8; pp. 811 - 812
Main Authors 牧迫, 飛雄馬, 島田, 裕之, 土井, 剛彦, 堤本, 広大, 中窪, 翔, 堀田, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
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Summary:「認知症予防の必要性」 認知症のおもな原因疾患であるアルツハイマー病および脳血管疾患に対する根治療法や予防薬の開発が確立されていない現在において, 非薬物療法による認知症の発症予防もしくは発症遅延の可能性を検討することは重要な課題と考えられる. 認知症の50~75%はアルツハイマー病に起因するものとされている. アルツハイマー病の発症リスクと関連する心身機能状態および生活習慣として, 高血圧, 糖尿病, 喫煙, うつ症状などが挙げられているが, なかでも身体的な不活動はもっとも影響力の強い因子であるとされている. また, 非薬物療法による認知症予防を目的とした介入方法として, 抗酸化物質や抗炎症成分を多く含む食物の摂取, 社会参加, 知的活動, 生産活動への参加, 社会的ネットワークの促進が期待されており, これらは認知症発症に対する保護的因子として認められている.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.42-8_104