喫煙習慣と歯科医療費との関連

喫煙が歯周病の発病因子であることの報告は年ごとに増えてきている。歯科医院への受療状況を概観すると,歯周病に関連した歯科医療費の支出の増加傾向が推測される。そこで著者らは,某銀行健康保険組合員の25〜64歳までの男性3,296名を対象とし,3年間分のレセプトを年齢群別に調査分析した。その結果,件数および日数は喫煙習慣のある者が高い傾向を示したが,有意な差はみられなかった。点数についてみると,45〜54歳群では,喫煙習慣がある者は5,192.8点,ない者が4,274.8点と有意な差(p<0.05)がみられた。今回の調査対象者において,喫煙習慣に起因する歯の疾患は,歯科医療費の増加傾向と密接な...

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Published inJOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 52; no. 5; pp. 672 - 676
Main Authors 吉野, 浩一, 高江洲, 義矩, 松久保, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2002
日本口腔衛生学会
Japanese Society for Oral Health
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.52.5_672

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Summary:喫煙が歯周病の発病因子であることの報告は年ごとに増えてきている。歯科医院への受療状況を概観すると,歯周病に関連した歯科医療費の支出の増加傾向が推測される。そこで著者らは,某銀行健康保険組合員の25〜64歳までの男性3,296名を対象とし,3年間分のレセプトを年齢群別に調査分析した。その結果,件数および日数は喫煙習慣のある者が高い傾向を示したが,有意な差はみられなかった。点数についてみると,45〜54歳群では,喫煙習慣がある者は5,192.8点,ない者が4,274.8点と有意な差(p<0.05)がみられた。今回の調査対象者において,喫煙習慣に起因する歯の疾患は,歯科医療費の増加傾向と密接な関連があることが示唆された。今後は調査対象者の異なる集団と比較検討が望まれる。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.52.5_672