「細胞培養における基本原則」の提案

• Published in: Soshiki baiyō kenkyu Vol. 36; no. 2; pp. 13 - 19
• Main Authors: 青井, 貴之, 山崎, 大樹, 片岡, 健, 浅香, 勲, 中村, 幸夫, 古江－楠田, 美保, 中村, 和昭, 諫田, 泰成, 阿久津, 英憲, 小島, 肇, 中川, 誠人, 末盛, 博文, 藤井, 万紀子, 関野, 祐子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: Kyoto 日本組織培養学会 01.01.2017; The Japanese Tissue Culture Association; Japan Science and Technology Agency
• Subjects: Basic concepts of cell culture; Cell culture; Contamination; Control systems; Cross contamination; Culture techniques; Environmental protection; Ethics; Good Cell Culture Practice; Mycoplasma; Quality control; Regeneration; Researchers; Safety; Standardization; Tissue culture; Tissue engineering; クロスコンタミネーション; コンタミネーション; マイコプラズマ汚染; 細胞培養; Japan
• ISSN: 0912-3636; 1881-3704
• DOI: 10.11418/jtca.36.13

近年、細胞培養に関連する技術の急速な開発に伴い、創薬研究、再生医療への応用など、細胞培養が貢献する分野が拡大している。欧米では細胞培養の再現性、信頼性、的確性を確保するうえで、細胞培養の基本概念を研究者・実験者間で共有することの重大性が認識され、Good Cell Culture Practice（GCCP）を作成することにより、細胞培養技術を一定の水準に維持する努力がなされている。我が国の研究者・実験者においても、細胞培養における基本概念を共有すべきと考え、「細胞培養における基本原則」案を作成した。本基本原則案は、培養細胞の脆弱性、入手先の信頼性と使用方法の妥当性、汚染防止、適切な管理と記録、作業者の安全と環境への配慮、の5条項から構成されている。この基本原則の概念が細胞培養を行うすべての研究者・実験者により共有され、日本の細胞培養技術が上進し、細胞培養技術を用いた研究の信頼性が向上することを期待する。