中学生における社会的スキル訓練が心理的ストレス反応に及ぼす影響(原著,<特集>教育臨床と行動療法)

本研究の目的は、中学校の交友困難のケースを対象として、社会的スキル訓練が生徒の心理的ストレス反応の軽減に及ぼす影響を検討することであった。研究1においては、社会的スキル訓練を実施した1ケースに対して、撤去計画法を適用して効果測定を行った。その結果、社会的スキルを獲得した中学生は、心理的ストレス反応の表出が軽減したことが示された。また、研究IIにおいては、社会的スキル訓練を実施した3ケースに対して、被験者間の多層ベースライン計画法を適用して効果測定を行った。その結果、研究1と同様に、社会的スキルを獲得した中学生は、いずれも心理的ストレス反応の表出が低減したことが明らかにされた。以上の結果から、社...

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Published in行動療法研究 Vol. 29; no. 1; pp. 37 - 48
Main Author 嶋田, 洋徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.03.2003
日本行動療法学会
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Summary:本研究の目的は、中学校の交友困難のケースを対象として、社会的スキル訓練が生徒の心理的ストレス反応の軽減に及ぼす影響を検討することであった。研究1においては、社会的スキル訓練を実施した1ケースに対して、撤去計画法を適用して効果測定を行った。その結果、社会的スキルを獲得した中学生は、心理的ストレス反応の表出が軽減したことが示された。また、研究IIにおいては、社会的スキル訓練を実施した3ケースに対して、被験者間の多層ベースライン計画法を適用して効果測定を行った。その結果、研究1と同様に、社会的スキルを獲得した中学生は、いずれも心理的ストレス反応の表出が低減したことが明らかにされた。以上の結果から、社会的スキル訓練は、児童生徒の心理的ストレスの問題を解決する際に有用な介入技法になることが示唆された。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.29.1_37