広場恐怖を伴うパニック障害患者を対象としたエクスポージャーに及ぼす患者教育の効果
本研究では、患者がエクスポージャーを実施する際の困難点を検討した上で患者教育を行い、患者教育がエクスポージャーの実施に及ぼす影響を検討することを目的とした。予備調査によって患者がエクスポージャーを実施する際に感じる困難点を明らかにした上で、研究1では、患者教育前後の患者の自己効力感の変化を検討した。その結果、患者教育前に比べ、患者教育後には、エクスポージャーを実施できるというセルフ・エフィカシーや、自らエクスポージャーを実行する意欲が高くなることがわかった。研究2では、エクスポージャー実施に及ぼす患者教育の効果を検討した結果、患者教育あり群は患者教育群よりも症状をコントロールできるというセルフ...
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Published in | 行動療法研究 Vol. 26; no. 2; pp. 57 - 68 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
30.09.2000
日本行動療法学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0910-6529 2424-2594 |
DOI | 10.24468/jjbt.26.2_57 |
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Summary: | 本研究では、患者がエクスポージャーを実施する際の困難点を検討した上で患者教育を行い、患者教育がエクスポージャーの実施に及ぼす影響を検討することを目的とした。予備調査によって患者がエクスポージャーを実施する際に感じる困難点を明らかにした上で、研究1では、患者教育前後の患者の自己効力感の変化を検討した。その結果、患者教育前に比べ、患者教育後には、エクスポージャーを実施できるというセルフ・エフィカシーや、自らエクスポージャーを実行する意欲が高くなることがわかった。研究2では、エクスポージャー実施に及ぼす患者教育の効果を検討した結果、患者教育あり群は患者教育群よりも症状をコントロールできるというセルフ・エフィカシー、エクスポージャーが実施できるというセルフ・エフィカシーが有意に高く、エクスポージャー後の状態不安とSDSの得点が低下することがわかった。最後に、エクスポージャー実施に先立つ患者教育の意義が議論された。 |
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ISSN: | 0910-6529 2424-2594 |
DOI: | 10.24468/jjbt.26.2_57 |