牧之原市の65歳高齢者における地域支援事業の歯科相談参加行動に関する因子

歯周疾患検診の受診率は平成14年度では3.6%,平成19年度では3.2%と低迷している.検診受診率の向上はもとより,超高齢社会を迎えたわが国においては,介護予防の地域支援事業の歯科相談への参加働きかけも重要課題である.本研究は任意参加方式で実施されている歯科相談の参加行動に関連する因子を検討して,今後の市町村における歯科保健事業を推進するために,不参加者の特性を明らかにすることを目的とした.対象は平成25年度の牧之原市65歳全住民869人である.牧之原市が対象者に自記式質問調査票を郵送し,返信があった317人分の結果を解析対象とした.同年に実施した65歳歯科相談の参加経験の有無により「参加あり...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 64; no. 5; pp. 409 - 414
Main Authors 森野, 智子, 山本, 智美, 坂本, 友紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 30.10.2014
日本口腔衛生学会
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Summary:歯周疾患検診の受診率は平成14年度では3.6%,平成19年度では3.2%と低迷している.検診受診率の向上はもとより,超高齢社会を迎えたわが国においては,介護予防の地域支援事業の歯科相談への参加働きかけも重要課題である.本研究は任意参加方式で実施されている歯科相談の参加行動に関連する因子を検討して,今後の市町村における歯科保健事業を推進するために,不参加者の特性を明らかにすることを目的とした.対象は平成25年度の牧之原市65歳全住民869人である.牧之原市が対象者に自記式質問調査票を郵送し,返信があった317人分の結果を解析対象とした.同年に実施した65歳歯科相談の参加経験の有無により「参加あり群」「参加群」に分類し各項目を比較した.その結果,参加あり群のほうが性別,歯数,家族や周囲の人と本人の歯への関心,歯間清掃用具使用の割合が高かった.これらの結果から,今後の市町村における歯科保健事業を推進するためには,歯数が少ない独居男性への歯科相談の参加を促していくサポートが必要であると考えられる.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.64.5_409