肢体不自由児療育の歴史的変遷と小児理学療法士専門職への課題

理学療法士・作業療法士制度の誕生の背景には, 高木憲次教授を代表として昭和初期からはじめられた療育の調査研究グループの活動歴史があった. 「療育とは, 現代の科学を総動員して不自由な肢体をできるだけ克服し, それによって幸いにも快復したら"肢体の復活能力"そのものをできるだけ有効に活用させ, もって自活の途の立つように育成することである」と, 高木憲次教授は, 提唱された. 肢体不自由児への療育の必要性を強調され, 自ら"夢の教養所"で実践された高木博士の理念は, 欧米で提唱されていたリハビリテーション概念とまったく同義語の人道思想に満ち溢れたものである...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 8; pp. 789 - 790
Main Author 紀伊, 克昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.42-8_093

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Summary:理学療法士・作業療法士制度の誕生の背景には, 高木憲次教授を代表として昭和初期からはじめられた療育の調査研究グループの活動歴史があった. 「療育とは, 現代の科学を総動員して不自由な肢体をできるだけ克服し, それによって幸いにも快復したら"肢体の復活能力"そのものをできるだけ有効に活用させ, もって自活の途の立つように育成することである」と, 高木憲次教授は, 提唱された. 肢体不自由児への療育の必要性を強調され, 自ら"夢の教養所"で実践された高木博士の理念は, 欧米で提唱されていたリハビリテーション概念とまったく同義語の人道思想に満ち溢れたものである. 高木博士の仕事を引き継がれていた小池文英博士は1963年頃, 厚生省理学療法士・作業療法士身分制度調査打合会の席上で, 我が国の肢体不自由児療育体制を確立するために先駆者が努力してきた長い道のりを説明され, それの延長線として理学療法士・作業療法士という専門職の必要性を強調された.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.42-8_093