女子中高生における口やのどの乾燥に関連した自覚徴候に共通する要因

本研究は,以前の報告に用いた資料を追加分析して,女子中高生における自覚徴候,「口やのどが乾いた感じがする(以下,"口やのどの乾燥感"と略)」,「口の中がネバネバする(以下,"口中のネバネバ感"と略)」および「水分がないと食べ物が飲み込みにくい(以下,"水分がないときの嚥下困難感"と略)」に関連する共通の要因を明らかにすることを目的としている.調査は,2006年度の歯・口腔の健康診断時に自記式質問紙を用いて行われた.分析対象は,資料が整った女子中高校生997名である.質問紙では,まずこれらの質問群は口の中の乾燥感についての調査であること...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 60; no. 3; pp. 233 - 238
Main Authors 森田, 学, 竹原, 順次, 本多, 丘人, 三宅, 亮, 中村, 公也, 兼平, 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2010
日本口腔衛生学会
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.60.3_233

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Summary:本研究は,以前の報告に用いた資料を追加分析して,女子中高生における自覚徴候,「口やのどが乾いた感じがする(以下,"口やのどの乾燥感"と略)」,「口の中がネバネバする(以下,"口中のネバネバ感"と略)」および「水分がないと食べ物が飲み込みにくい(以下,"水分がないときの嚥下困難感"と略)」に関連する共通の要因を明らかにすることを目的としている.調査は,2006年度の歯・口腔の健康診断時に自記式質問紙を用いて行われた.分析対象は,資料が整った女子中高校生997名である.質問紙では,まずこれらの質問群は口の中の乾燥感についての調査であることを最初に記載し,"口やのどの乾燥感","口中のネバネバ感"および"水分がないときの嚥下困難感"については,"ない","ときどき","いつも"の選択肢から選んでもらうことで回答を得た.また,影響するリスク要因として,1)「コーヒー,紅茶,緑茶を飲む」,2)「食事を抜く」,3)「ファストフードを食べる」,4)「水やお茶を飲みながら食事をする」,5)「食事は10分以内で食べ終わる」,6)「鼻がつまる(以下,"鼻づまり"と略)」,7)「口で息をしている(以下,"口呼吸"と略)」,8)「ストレスを感じる(以下,"ストレス"と略)」についても,同様に回答を選択してもらった.ロジスティック回帰分析の結果,"口中のネバネバ感"の自覚に関して有意な関連要因は,「鼻づまり」,「口呼吸」および「ストレス」であった."水分がないときの嚥下困難感"の自覚に関して有意な関連要因は,「中高生別」,「食事を抜く」,「ファストフードを食べる」,「水やお茶を飲みながら食事をする」,「鼻づまり」および「ストレス」であった.以上の結果と前報の結果より,"口やのどの乾燥感","口中のネバネバ感"および"水分がないときの嚥下困難感"の自覚に関連する共通な食生活習慣的関連要因は,見出されなかった.しかし,「鼻づまり」と「ストレス」は3つの自覚徴候に共通する関連要因であった.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.60.3_233