特殊な歯周病の診断と治療

「はじめに」 日常臨床で治療を行う歯周病の多くは, プラーク性歯肉炎, 慢性歯周炎あるいは発症頻度が少ない侵襲性歯周炎である. 歯周病は, 細菌性プラークによる炎症性疾患であり, 進行すると歯周組織の破壊・歯の動揺・歯の喪失・咀嚼障害など口腔の機能障害が生じる. 歯周治療の主な目的は, 歯周病に罹患した歯周組織を健康なものに回復させるとともに, 咀嚼機能の回復などの口腔機能や審美性などを改善することにある. また, 歯周治療により, 2型糖尿病のHbA1c値の低下など全身疾患の改善につながることもあることが示されている. そこで歯周治療を行うにあたっては, 検査に基づいて, 病因を考えながら適...

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Published inThe Japanese Journal of Conservative Dentistry Vol. 57; no. 6; pp. 477 - 483
Main Authors 中村, 利明, 白方, 良典, 野口, 和行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科保存学会 2014
日本歯科保存学会
The Japanese Society of Conservative Dentistry
Subjects
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ISSN0387-2343
2188-0808
DOI10.11471/shikahozon.57.477

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Summary:「はじめに」 日常臨床で治療を行う歯周病の多くは, プラーク性歯肉炎, 慢性歯周炎あるいは発症頻度が少ない侵襲性歯周炎である. 歯周病は, 細菌性プラークによる炎症性疾患であり, 進行すると歯周組織の破壊・歯の動揺・歯の喪失・咀嚼障害など口腔の機能障害が生じる. 歯周治療の主な目的は, 歯周病に罹患した歯周組織を健康なものに回復させるとともに, 咀嚼機能の回復などの口腔機能や審美性などを改善することにある. また, 歯周治療により, 2型糖尿病のHbA1c値の低下など全身疾患の改善につながることもあることが示されている. そこで歯周治療を行うにあたっては, 検査に基づいて, 病因を考えながら適切な診断・治療計画の立案を行うことが重要である. 歯周治療の基本は, 炎症性因子の除去, すなわちインフェクションコントロールおよび咬合性外傷因子の除去にある. またこれとともに, 齲蝕・歯内病変・咬合崩壊・歯列不正などに対する治療を組み入れた包括的治療を行うことが歯周治療を成功させるために必要である.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.57.477