再発性肺塞栓症を契機に発見されたpopliteal venous aneurysm の1 治験例

要旨:Popliteal venous aneurysm はまれな疾患であるが,肺塞栓症の原因となり致死的となることがある.今回,再発性肺塞栓症を契機に発見されたpopliteal venous aneurysm を経験したので報告する.症例は2005 年に肺塞栓症の既往を有する68 歳の男性.2007 年11 月に山登り中に呼吸苦を自覚し,翌日の起床時に呼吸困難と胸痛が出現したため救急車で当院に搬送された.CT 検査で肺塞栓症の診断となり入院加療となった.抗凝固療法と血栓溶解療法を施行し,症状は徐々に改善していたが入院7 日目に肺塞栓症再発をきたした.同時期に施行したCT 検査,超音波検査で...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 24; no. 4; pp. 790 - 793
Main Authors 池添, 亨, 細井, 温, 窪田, 博, 布川, 雅雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2015
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.14-00080

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Summary:要旨:Popliteal venous aneurysm はまれな疾患であるが,肺塞栓症の原因となり致死的となることがある.今回,再発性肺塞栓症を契機に発見されたpopliteal venous aneurysm を経験したので報告する.症例は2005 年に肺塞栓症の既往を有する68 歳の男性.2007 年11 月に山登り中に呼吸苦を自覚し,翌日の起床時に呼吸困難と胸痛が出現したため救急車で当院に搬送された.CT 検査で肺塞栓症の診断となり入院加療となった.抗凝固療法と血栓溶解療法を施行し,症状は徐々に改善していたが入院7 日目に肺塞栓症再発をきたした.同時期に施行したCT 検査,超音波検査で深部静脈血栓症とpopliteal venous aneurysmを認め,下大静脈フィルター留置後に後方アプローチにて瘤切除,パッチ形成術を施行した.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.14-00080