ペインクリニック専門医不在の病院で発生した周術期発症の神経障害性疼痛に対し,ペインクリニック専門医への紹介で慢性疼痛への進行を防ぎえたと考えられた1例

「I 緒言」周術期にはさまざまな要因で神経障害が発生し, 時に難治性となり患者の術後quality of life (QOL) を著しく低下させる可能性がある. 神経障害性疼痛に関してはペインクリニック専門医による治療介入が望ましいが, 常勤医不在により発症初期に専門医による対応が困難であることも多い. 婦人科開腹術後に発生した薬物治療に抵抗性であった神経障害性疼痛に対し, ペインクリニック専門医が介入し慢性疼痛への進行を防ぎえた1例を経験したため報告する. 本症例発表に関し, 患者ご本人に文書で承諾を得た. 「II 症例」29歳女性. 身長170cm, 体重50.4kg (BMI : 17....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Japan Society of Pain Clinicians Vol. 29; no. 7; pp. 173 - 175
Main Authors 浅野, 市子, 西脇, 公俊, 佐藤, 威仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.07.2022
日本ペインクリニック学会
Japan Society of Pain Clinicians
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.22-0005

Cover

More Information
Summary:「I 緒言」周術期にはさまざまな要因で神経障害が発生し, 時に難治性となり患者の術後quality of life (QOL) を著しく低下させる可能性がある. 神経障害性疼痛に関してはペインクリニック専門医による治療介入が望ましいが, 常勤医不在により発症初期に専門医による対応が困難であることも多い. 婦人科開腹術後に発生した薬物治療に抵抗性であった神経障害性疼痛に対し, ペインクリニック専門医が介入し慢性疼痛への進行を防ぎえた1例を経験したため報告する. 本症例発表に関し, 患者ご本人に文書で承諾を得た. 「II 症例」29歳女性. 身長170cm, 体重50.4kg (BMI : 17.4). 職業は鞄製造業で立ち仕事が主であった. 喫煙歴があり15本/日を9年間術前まで継続. 術前の血液検査, レントゲン写真に特記すべき異常所見はなかった. 前医 (ペインクリニック専門医が不在の病院) にて右卵巣腫瘍と診断され, 開腹卵巣腫瘍摘出術の予定となった.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.22-0005