感染性腕頭動脈瘤に対するEndovascular Repairを施行した一例

感染性腕頭動脈瘤は破裂する危険性が高く,早期診断・早期治療が求められる.標準的治療は広範囲廓清および血管形成術であるが,近年血管内治療の報告が散見される.われわれは感染性腕頭動脈瘤に対し血管内治療を行った一例を経験した.患者は65歳男性,感染性腹部大動脈瘤破裂に対し人工血管置換術を施行した.同時に腕頭動脈瘤も合併した.フォローCTで瘤径が増大し,PET-CTで18F-FDGの集積亢進を認めた.感染性腕頭動脈瘤と診断し,弓部大動脈への操作を回避するために,腕頭動脈へのステントグラフト留置および右総頸動脈–鎖骨下動脈バイパスを施行し,瘤内へのtype 2エンドリークをコイル塞栓した.術後は瘤の拡大...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 26; no. 5; pp. 285 - 288
Main Authors 髙橋, 信也, 黒崎, 達也, 片山, 桂次郎, 末田, 泰二郎, 田口, 隆浩, 呉, 晟名
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2017
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.17-00050

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Summary:感染性腕頭動脈瘤は破裂する危険性が高く,早期診断・早期治療が求められる.標準的治療は広範囲廓清および血管形成術であるが,近年血管内治療の報告が散見される.われわれは感染性腕頭動脈瘤に対し血管内治療を行った一例を経験した.患者は65歳男性,感染性腹部大動脈瘤破裂に対し人工血管置換術を施行した.同時に腕頭動脈瘤も合併した.フォローCTで瘤径が増大し,PET-CTで18F-FDGの集積亢進を認めた.感染性腕頭動脈瘤と診断し,弓部大動脈への操作を回避するために,腕頭動脈へのステントグラフト留置および右総頸動脈–鎖骨下動脈バイパスを施行し,瘤内へのtype 2エンドリークをコイル塞栓した.術後は瘤の拡大および感染の再燃なく良好に経過した.感染性腕頭動脈瘤に対する血管内治療は高リスク患者に対する治療法の1つであると考えるが,長期予後は不明であり,さらなるフォローアップが必要である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.17-00050