腸間膜損傷と大腿骨骨頭骨折を合併した外傷性弓部大動脈損傷の1例
症例は78歳の男性.原動機付き自転車を運転中に軽自動車と衝突し救急搬送された.全身造影CTを施行したところ,大動脈弓部から下行大動脈にかけての大動脈損傷,造影剤の血管外漏出を伴う小腸間膜損傷,左大腿骨骨頭骨折を認めた.内膜の亀裂を左総頸動脈起始部に認め,且つ,大動脈弓部から下行大動脈にかけての仮性瘤を認めたため,緊急でオープンステントグラフトを用いた弓部置換術を行う方針とし,致死的出血を抑えるため,腹部の止血術を同時に行った.リハビリテーションを長期間要したが,術後97日目に自宅退院となった.多臓器損傷を伴う外傷性弓部大動脈損傷に対して,手術によって救命し得た1例を経験したので報告する....
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Published in | Japanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 3; pp. 255 - 258 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
29.06.2018
日本血管外科学会 JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.18-00040 |
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Summary: | 症例は78歳の男性.原動機付き自転車を運転中に軽自動車と衝突し救急搬送された.全身造影CTを施行したところ,大動脈弓部から下行大動脈にかけての大動脈損傷,造影剤の血管外漏出を伴う小腸間膜損傷,左大腿骨骨頭骨折を認めた.内膜の亀裂を左総頸動脈起始部に認め,且つ,大動脈弓部から下行大動脈にかけての仮性瘤を認めたため,緊急でオープンステントグラフトを用いた弓部置換術を行う方針とし,致死的出血を抑えるため,腹部の止血術を同時に行った.リハビリテーションを長期間要したが,術後97日目に自宅退院となった.多臓器損傷を伴う外傷性弓部大動脈損傷に対して,手術によって救命し得た1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.18-00040 |