自己管理スキルを応用したブラッシング行動スキル尺度の開発
健康教育に応用する目的で測定尺度が開発され,児童の歯科保健行動との関連が確認されている自己管理スキル(SMS)を応用し,ブラッシング行動に限定した自己管理スキル尺度(ブラッシング行動スキル尺度)を開発することを目的とした.福岡県内の某小学校にて歯肉炎予防改善教育を受け,設問の意味を正しく理解できる児童ら57名を対象に,SMSの3因子を参考にした8項目と具体的なブラッシング技術に関する8項目の合計16項目の予備的項目にて調査を実施した.平均点や項目間相関から8項目に絞り込んでブラッシング行動スキル尺度を作成し,主成分分析にて各項目が同一の方向を向いていることを確認した.翌年,別の児童ら20名を対...
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Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 59; no. 1; pp. 51 - 57 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
01.01.2009
日本口腔衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
DOI | 10.5834/jdh.59.1_51 |
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Summary: | 健康教育に応用する目的で測定尺度が開発され,児童の歯科保健行動との関連が確認されている自己管理スキル(SMS)を応用し,ブラッシング行動に限定した自己管理スキル尺度(ブラッシング行動スキル尺度)を開発することを目的とした.福岡県内の某小学校にて歯肉炎予防改善教育を受け,設問の意味を正しく理解できる児童ら57名を対象に,SMSの3因子を参考にした8項目と具体的なブラッシング技術に関する8項目の合計16項目の予備的項目にて調査を実施した.平均点や項目間相関から8項目に絞り込んでブラッシング行動スキル尺度を作成し,主成分分析にて各項目が同一の方向を向いていることを確認した.翌年,別の児童ら20名を対象に応用可能性を検討した.ブラッシング行動スキル尺度は,第一主成分の因子寄与率が47.2%と高く,各項目の因子負荷量は0.50以上を示していた.SMSとブラッシング行動スキルとの間には,r=0.43,p<0.01の有意な相関がみられた.翌年の調査でも,両尺度間には有意で中等度の相関が認められた(r=0.56,p=0.01).本研究で作成したブラッシング行動スキル尺度は,子どものブラッシング行動に関する自己管理スキルの一部を評価できると考えられる. |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.59.1_51 |