Najutaステントグラフトのcollapseに対して上行置換術を施行した治験例

ステントグラフトのcollapseは稀な合併症とされているが1),このたびわれわれはNajutaおよびRelay Plusを用いたTEVARの後に,遅発性にcollapseを生じ追加治療を要した症例を経験した.症例は72歳の女性で,遠位弓部大動脈瘤に対してNajutaをZone 0から留置した後に,Relay PlusをZone 2から留置した.患者は術後206日目に急性心不全にて緊急入院となりステントグラフトのcollapseを認めたため,緊急的に再拡張を行った後に上行置換術を施行した.ステントグラフト治療後のgraft collapseは,稀ではあるものの致死的となりうる合併症であり,早急...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 81 - 85
Main Authors 大井, 正也, 石川, 昇, 東田, 隆治, 川口, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2018
日本血管外科学会
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Summary:ステントグラフトのcollapseは稀な合併症とされているが1),このたびわれわれはNajutaおよびRelay Plusを用いたTEVARの後に,遅発性にcollapseを生じ追加治療を要した症例を経験した.症例は72歳の女性で,遠位弓部大動脈瘤に対してNajutaをZone 0から留置した後に,Relay PlusをZone 2から留置した.患者は術後206日目に急性心不全にて緊急入院となりステントグラフトのcollapseを認めたため,緊急的に再拡張を行った後に上行置換術を施行した.ステントグラフト治療後のgraft collapseは,稀ではあるものの致死的となりうる合併症であり,早急な対処が必要となる.大動脈弓の解剖学的評価と適切なデバイスおよび術式の選択により,bird-beakを予防する検討やNajutaに他のデバイスを内挿することへの留意が,このような合併症を回避できる可能性がある.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.17-00086