EVAR後の難治性Type IAエンドリークに対して大動脈バンディングを利用した内外両方向からの中枢補強が奏功した1例

EVAR後のType IAエンドリークは,瘤破裂の危険があり,早急な治療を要する.しかし,中枢ネックの形状に解剖学的問題を有する症例では,その治療に難渋する場合がある.症例は86歳,女性.中枢ネックの高度屈曲を原因とするEVAR後のType IAエンドリークに対し,中枢カフ留置によるre-EVARを施行されたが,エンドリークは残存した.その後,瘤径拡大に伴う中枢ネックの拡大とネック長の短縮が進行し,エンドリークが増強したため,手術侵襲を抑えた大動脈バンディングによる外科的再治療を施行した.バンディングによって中枢ネックの形状が修整され,中枢カフによる有効な圧着が可能となり,内外両方向からの中枢...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 3; pp. 225 - 228
Main Authors 丸山, 隆史, 三浦, 修平, 伊庭, 裕, 山田, 陽, 中西, 克彦, 栗本, 義彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 08.06.2018
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18-00022

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Summary:EVAR後のType IAエンドリークは,瘤破裂の危険があり,早急な治療を要する.しかし,中枢ネックの形状に解剖学的問題を有する症例では,その治療に難渋する場合がある.症例は86歳,女性.中枢ネックの高度屈曲を原因とするEVAR後のType IAエンドリークに対し,中枢カフ留置によるre-EVARを施行されたが,エンドリークは残存した.その後,瘤径拡大に伴う中枢ネックの拡大とネック長の短縮が進行し,エンドリークが増強したため,手術侵襲を抑えた大動脈バンディングによる外科的再治療を施行した.バンディングによって中枢ネックの形状が修整され,中枢カフによる有効な圧着が可能となり,内外両方向からの中枢補強でType IAエンドリークは完全に消失した.難治性Type IAエンドリークを有するハイリスク症例に対しては,大動脈バンディングを利用した中枢補強が有効な治療選択肢になり得る.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00022