経過中に腎障害が進行しアシクロビル脳症をきたした1症例

「I はじめに」ペインクリニック診療において帯状疱疹痛は診療する機会の多い疾患の一つであり, とくに急性期には神経ブロック治療を施行することも多い. 今回われわれは抗ウイルス治療中の急性期帯状疱疹痛の患者に対し, 神経ブロックを施行したところ, 直後に意識障害をきたしアシクロビル脳症と判明した1例を経験したので報告する. 本症例報告を行うことについて, 患者本人に説明を行い承諾を得た. 「II 症例」患者:80歳, 女性. 身長 145.7cm. 体重 40.6kg. 既往歴:慢性C型肝炎, 関節リウマチ, 高血圧. 現病歴:X日 左前腕に皮疹が出現, 近医内科で帯状疱疹と診断されバラシクロビ...

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Published inJournal of Japan Society of Pain Clinicians Vol. 27; no. 4; pp. 343 - 344
Main Authors 井原, 稔文, 別府, 曜子, 滝本, 佳予, 武田, 勇毅, 森, 梓, 小野, まゆ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.10.2020
日本ペインクリニック学会
Japan Society of Pain Clinicians
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.19-0044

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Summary:「I はじめに」ペインクリニック診療において帯状疱疹痛は診療する機会の多い疾患の一つであり, とくに急性期には神経ブロック治療を施行することも多い. 今回われわれは抗ウイルス治療中の急性期帯状疱疹痛の患者に対し, 神経ブロックを施行したところ, 直後に意識障害をきたしアシクロビル脳症と判明した1例を経験したので報告する. 本症例報告を行うことについて, 患者本人に説明を行い承諾を得た. 「II 症例」患者:80歳, 女性. 身長 145.7cm. 体重 40.6kg. 既往歴:慢性C型肝炎, 関節リウマチ, 高血圧. 現病歴:X日 左前腕に皮疹が出現, 近医内科で帯状疱疹と診断されバラシクロビル(valaciclovir:VACV)2,500mg/dayの経口投与が開始された. X+2日 当院皮膚科に紹介され, 同日の採血検査でCr 0.82mg/dl, eGFR 50.6ml/min/1.72m2と軽度腎機能低下を認めたためVACVは2,000mg/dayに減量された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.19-0044