Salazosulphapyridine,Predonizoloneの好中球機能に及ぼす影響とSodium ferrous citrateとの併用効果についての検討
緒言 潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis; UC)は大腸粘膜を侵し, しばしばびらんや潰瘍を形成する非特異性炎症性腸疾患である. その成因については細菌や化学物質などの外的因子, 免疫機構の異常などが関与すると考えられているが, 未だに明確な成因については解明されていない. また, 好中球から放出される活性酸素が腸管粘膜の組織障害に関与しているとも言われている1). 現在UCの治療においてはMesalazine, Salazosulphapyridine(SASP), Predonizolone(PSL)が治療薬の中心になっているが, 実際の臨床現場では, 慢性出血, 吸収障害...
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Published in | Inflammation and Regeneration Vol. 27; no. 1; pp. 53 - 58 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本炎症・再生医学会
01.01.2007
日本炎症・再生医学会 |
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ISSN | 1880-9693 1880-8190 |
DOI | 10.2492/inflammregen.27.53 |
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Summary: | 緒言 潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis; UC)は大腸粘膜を侵し, しばしばびらんや潰瘍を形成する非特異性炎症性腸疾患である. その成因については細菌や化学物質などの外的因子, 免疫機構の異常などが関与すると考えられているが, 未だに明確な成因については解明されていない. また, 好中球から放出される活性酸素が腸管粘膜の組織障害に関与しているとも言われている1). 現在UCの治療においてはMesalazine, Salazosulphapyridine(SASP), Predonizolone(PSL)が治療薬の中心になっているが, 実際の臨床現場では, 慢性出血, 吸収障害および慢性炎症のために鉄欠乏性貧血を来し, 鉄剤と上記のUC治療薬とが併用される症例も見受けられる. われわれは, 以前クエン酸第一鉄(Sodium ferrous citrate; SFC)の好中球機能に対する影響について検討し, SFCが活性酸素生成能, 遊走能などの好中球機能を抑制することにより抗炎症効果を発揮することを明らかにした2). さらに, SFCとMesalazineとの併用効果についても検討し, Mesalazineと相加的に活性酸素生成能, 遊走能などの好中球機能を抑制することもわかった3). そこで今回われわれは, in vitroにおいて, SASP, PSLによる好中球の活性酸素産生, 遊走, 接着分子の発現などの機能に及ぼす影響を検討し, またSFCとの併用効果についても合わせて検討した. |
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ISSN: | 1880-9693 1880-8190 |
DOI: | 10.2492/inflammregen.27.53 |