慎重なステロイド投与で適切に治療できたリウマチ性多発筋痛症の1例

「I はじめに」 リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica : PMR)は50歳以上(平均発症年齢70~75歳)に好発する原因不明の炎症性疾患であり, 副腎皮質ホルモン(以下, ステロイド)投与が奏功することが多い. しかし, 安易なステロイド投与は, 重篤な全身疾患の診断の遅れや合併症の増悪をきたすことがある. 今回われわれは, ステロイドの投与を慎重に行うことで良好な経過を得たPMRの症例を経験したので報告する. 今回の報告において, 患者本人に文書で同意を得た. 「II 症例」 70歳代, 男性. 既往歴は糖尿病, 脂質異常症. 家族歴に特記すべきものなし. X...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Japan Society of Pain Clinicians Vol. 30; no. 2; pp. 29 - 31
Main Authors 田中, 真, 佐藤, 仁昭, 神岡, 翼
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.02.2023
日本ペインクリニック学会
Japan Society of Pain Clinicians
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.22-0038

Cover

More Information
Summary:「I はじめに」 リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica : PMR)は50歳以上(平均発症年齢70~75歳)に好発する原因不明の炎症性疾患であり, 副腎皮質ホルモン(以下, ステロイド)投与が奏功することが多い. しかし, 安易なステロイド投与は, 重篤な全身疾患の診断の遅れや合併症の増悪をきたすことがある. 今回われわれは, ステロイドの投与を慎重に行うことで良好な経過を得たPMRの症例を経験したので報告する. 今回の報告において, 患者本人に文書で同意を得た. 「II 症例」 70歳代, 男性. 既往歴は糖尿病, 脂質異常症. 家族歴に特記すべきものなし. X年1月に特に誘因なく両肩の痛みが出現し, 近医整形外科にて両側肩関節周囲炎と診断された. 関節内注射にて改善がないため, さらに高次の病院の紹介を受け, 当該病院にて両側肩関節内への生理食塩水の反復注入および関節受動術が施行された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.22-0038