感染性腹部大動脈瘤に対する解剖学的血行再建の手術成績

【目的】感染性腹部大動脈瘤に対して,解剖学的血行再建,大網充填術を行い,良好な長期成績を得ているので報告する.【方法】2010年から2017年に手術治療を行った感染性腹部大動脈瘤連続27症例に対し,診断,治療,予後について検討した.【結果】男性は26例,年齢中央値は69歳.臨床経過,血液検査,CT所見から総合的に感染瘤と診断した.治療は,開腹手術とし,肉眼的に感染が及んでいる大動脈壁とその周囲組織を切除し,代用血管で解剖学的血行再建,大網充填術を行った.周術期合併症を8症例(29.6%)に認めたが,周術期死亡は0,再感染例は0であった.術後中央値1147日の観察期間において,感染再発や,代用血...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 35 - 40
Main Authors 橋本, 宗敬, 後藤, 均, 赤松, 大二朗, 清水, 拓也, 土田, 憲, 河村, 圭一郎, 田島, 悠太, 梅津, 道久, 鈴木, 峻也, 亀井, 尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 22.01.2019
日本血管外科学会
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Summary:【目的】感染性腹部大動脈瘤に対して,解剖学的血行再建,大網充填術を行い,良好な長期成績を得ているので報告する.【方法】2010年から2017年に手術治療を行った感染性腹部大動脈瘤連続27症例に対し,診断,治療,予後について検討した.【結果】男性は26例,年齢中央値は69歳.臨床経過,血液検査,CT所見から総合的に感染瘤と診断した.治療は,開腹手術とし,肉眼的に感染が及んでいる大動脈壁とその周囲組織を切除し,代用血管で解剖学的血行再建,大網充填術を行った.周術期合併症を8症例(29.6%)に認めたが,周術期死亡は0,再感染例は0であった.術後中央値1147日の観察期間において,感染再発や,代用血管の感染はなく,疾患関連死亡や,手術関連死亡は認めなかった.他病死を6例に認め,術後5年生存率は76.2%であった.【結論】感染性腹部大動脈瘤に対する解剖学的血行再建術の成績は良好である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00094