象牙質知覚過敏抑制材がセルフエッチング接着システムの接着性に及ぼす影響

• Published in: 日本歯科保存学雑誌 Vol. 60; no. 1; pp. 22 - 31
• Main Authors: 松崎-田中久美子, 大原直子, 澁谷和彦, 小野瀬里奈, 横山章人, 山路公造, 吉山昌宏
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本歯科保存学会 2017
• ISSN: 0387-2343
• DOI: 10.11471/shikahozon.60.22

「抄録」目的:象牙質知覚過敏抑制材の使用がコンポジットレジン修復に及ぼす影響を検討することを目的とし, 象牙細管開口モデルに対して知覚過敏抑制材を塗布し, セルフエッチング接着システムの接着性の評価を行った. 材料と方法:ヒト抜去小臼歯を用いて作製した象牙細管開口モデルに対して, 3種の象牙質知覚過敏抑制材(MSコートONE, Fバニッシュ, ナノシール)を塗布し, 表面性状を形態学的に評価した. また, 知覚過敏抑制材を塗布し, 7日間37℃水中保管後にクリアフィルメガボンドFAを用いて歯面処理を行った被着面を形態学的に検討した. さらに, コンポジットレジンを築盛して作製した接着試料体に対して微小引張接着試験を行い, 接着強さを比較・検討した. 結果: 3種の象牙質知覚過敏抑制材を塗布した象牙細管開口モデル表面においては, いずれも知覚過敏抑制効果を表す形態学的特徴を示し, 接着システムのプライミング効果に違いを認めたものの, 接着強さは象牙細管開口モデル群ならびに3種の象牙質知覚過敏抑制材塗布群の間に有意差を認めなかった(p>0.05). 結論:象牙細管開口モデルに対して本研究で使用した3種の象牙質知覚過敏抑制材は, その後に使用した接着システムの接着強さに影響を及ぼさないことが示された.