解離性大動脈瘤術後の残存解離拡大に対してCandy Plug法を用いて血管内治療を行った1例

症例は51歳男性.DeBakey IIIb型解離性大動脈瘤に対して6年前に左鎖骨下動脈起始部末梢から第9胸椎レベルまでの胸部下行大動脈人工血管置換術が施行されていた.その際,末梢は両腔吻合され,吻合部末梢の偽腔は開存していた.外来での経過観察中,最大径66×80 mmと瘤径拡大を認めたため,Candy Plug法を用いた血管内治療を施行した.手術は胸部下行の人工血管から真腔にかけて腹腔動脈上までステントグラフトを留置し,その末梢端に合わせて偽腔にCandy Plugを展開した.合併症は認めず術後9日で退院となり,4カ月後のCTでは最大の瘤径が66×80 mmから49×69 mmと縮小し,真腔の...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 5; pp. 359 - 362
Main Authors 仲澤, 順二, 伊藤, 寿朗, 渡邊, 俊貴, 沼口, 亮介, 三上, 拓真, 川原田, 修義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 29.09.2018
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18-00039

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Summary:症例は51歳男性.DeBakey IIIb型解離性大動脈瘤に対して6年前に左鎖骨下動脈起始部末梢から第9胸椎レベルまでの胸部下行大動脈人工血管置換術が施行されていた.その際,末梢は両腔吻合され,吻合部末梢の偽腔は開存していた.外来での経過観察中,最大径66×80 mmと瘤径拡大を認めたため,Candy Plug法を用いた血管内治療を施行した.手術は胸部下行の人工血管から真腔にかけて腹腔動脈上までステントグラフトを留置し,その末梢端に合わせて偽腔にCandy Plugを展開した.合併症は認めず術後9日で退院となり,4カ月後のCTでは最大の瘤径が66×80 mmから49×69 mmと縮小し,真腔の拡大が得られた.本症例のようなDeBakey IIIb型解離性大動脈瘤で胸部下行大動脈人工血管置換術後,両腔吻合した末梢の残存解離の偽腔が拡大した症例に対してCandy Plug法を用いた血管内治療は有効と考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00039