遅発性type IIIb endoleakの2例

当院において2010年6月から2016年12月の間に血管内治療を施行した腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤は66例であった.術後瘤径の拡大を6例に認め,そのうち10 mm以上の拡大を来たし,開腹移行した症例は3例あった.Type II endoleakを疑い開腹移行したが,2例はステントグラフトのfabricに欠損を認めた.術後経過よりtype II endoleakと考えられたが,実際はfabricに欠損を生じたtype IIIb endoleakと腰動脈,正中仙骨動脈からのtype II endoleakのmixed typeであった.Type III endoleakはグラフトの継ぎ目から生じ...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 26; no. 3; pp. 149 - 152
Main Authors 小林, 卓馬, 後藤, 智行, 松濱, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2017
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.17-00023

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Summary:当院において2010年6月から2016年12月の間に血管内治療を施行した腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤は66例であった.術後瘤径の拡大を6例に認め,そのうち10 mm以上の拡大を来たし,開腹移行した症例は3例あった.Type II endoleakを疑い開腹移行したが,2例はステントグラフトのfabricに欠損を認めた.術後経過よりtype II endoleakと考えられたが,実際はfabricに欠損を生じたtype IIIb endoleakと腰動脈,正中仙骨動脈からのtype II endoleakのmixed typeであった.Type III endoleakはグラフトの継ぎ目から生じるtype IIIaの報告はしばしば見受けられるが,遅発性に生じるtype IIIb endoleakの報告は依然として稀である.術後遠隔期に開腹移行し,type IIIb endoleakと診断した症例を2例経験したので報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.17-00023