気分症状改善・回復のための自助方略の検討――デルファイ法を用いた調査

「問題と目的」メンタルヘルス不調とは, 「精神および行動の障害に分類される精神疾患や自殺のみならず, ストレスや強い悩み, 不安など, 労働者の心身の健康, 社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むもの」 (厚生労働省, 2015) と定義されている. 厚生労働省 (2019) によれば, メンタルヘルス不調によって医療機関に通院している患者数は, 平成26年に392万人, そして平成29年に420万人と年々増加している. このメンタルヘルス不調の定義に含まれる「程度」や「影響」は広範囲に渡っており, 医療機関における臨床的統計結果だけが全てではない...

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Bibliographic Details
Published inJournal of Health Psychology Research Vol. 33; no. 2; pp. 125 - 136
Main Authors 竹中, 晃二, 野田, 哲朗, 山蔦, 圭輔, 松井, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本健康心理学会 15.03.2021
日本健康心理学会
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Summary:「問題と目的」メンタルヘルス不調とは, 「精神および行動の障害に分類される精神疾患や自殺のみならず, ストレスや強い悩み, 不安など, 労働者の心身の健康, 社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むもの」 (厚生労働省, 2015) と定義されている. 厚生労働省 (2019) によれば, メンタルヘルス不調によって医療機関に通院している患者数は, 平成26年に392万人, そして平成29年に420万人と年々増加している. このメンタルヘルス不調の定義に含まれる「程度」や「影響」は広範囲に渡っており, 医療機関における臨床的統計結果だけが全てではない. 例えば, 軽度の気分症状を抱える人々は社会に広く蔓延している.
ISSN:2189-8790
2189-8804
DOI:10.11560/jhpr.200413127