鈍的外傷性椎骨動脈損傷の治療経験

【目的】鈍的外傷性椎骨動脈損傷は,稀な病態である.今回,われわれが治療介入した椎骨動脈損傷を 3 例経験したため報告する.【症例】症例 1:42 歳男性.頚椎(C6)骨折と骨折部に一致した右椎骨動脈に高度狭窄を認めた.症例 2:68 歳女性.頚椎(C2)に骨折と,骨折部に一致した右椎骨動脈閉塞を認めた.この 2 例では,抗血小板薬による保存的加療を行った.症例 3:38 歳男性.頚椎(C3-6)に骨折と,骨折部に一致した左椎骨動脈閉塞を認めた.本患者では,頚椎骨折の整復術前に,椎骨動脈の再開通に伴う合併症の予防を目的とした,左椎骨動脈のコイル塞栓術を施行した.【結論】外傷性椎骨動脈損傷を早期に...

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Published in脳血管内治療 Vol. 7; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 大山, 裕太, 山根, 文孝, 朝見, 正宏, 大貫, 隆広, 後藤, 芳明, 宇野, 健志, 安心院, 康彦, 三宅, 康史, 坂本, 哲也, 辛, 正廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2022
日本脳神経血管内治療学会
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Summary:【目的】鈍的外傷性椎骨動脈損傷は,稀な病態である.今回,われわれが治療介入した椎骨動脈損傷を 3 例経験したため報告する.【症例】症例 1:42 歳男性.頚椎(C6)骨折と骨折部に一致した右椎骨動脈に高度狭窄を認めた.症例 2:68 歳女性.頚椎(C2)に骨折と,骨折部に一致した右椎骨動脈閉塞を認めた.この 2 例では,抗血小板薬による保存的加療を行った.症例 3:38 歳男性.頚椎(C3-6)に骨折と,骨折部に一致した左椎骨動脈閉塞を認めた.本患者では,頚椎骨折の整復術前に,椎骨動脈の再開通に伴う合併症の予防を目的とした,左椎骨動脈のコイル塞栓術を施行した.【結論】外傷性椎骨動脈損傷を早期に診断し,必要に応じて血管内治療の選択が望まれる.
ISSN:2423-9119
2424-1709
DOI:10.20626/nkc.cr.2021-0026