MRI検査が病態の理解に有用であった心室中部閉塞性肥大型心筋症の1例
66歳の女性が, NYHA分類 Ⅱ度呼吸困難にて受診した. 身長156cm, 体重55kg (この 1カ月で 2 kgの増加) . 脈拍70/分・整. 血圧120/70mmHg. 意識清明. 頸静脈の怒張は. 心音は心尖部に Ⅳ音, 第 4肋間胸骨左縁にLevine Ⅱ度の収縮期雑音を聴取した. 肺ラ音は認めず, 肝脾腫認めず. 下肢に圧痕性浮腫を認めた. 血清BNP 872pg/mL. 心エコー検査で, 心室腔が 2腔あるようにみえ, 当初, 左室二腔症などの心奇形を疑った. 心臓の形態把握のため, 心臓MRI検査を行ったところ, 心室中部が著しく肥大し, 収縮期に完全閉塞となり, 心室...
Saved in:
Published in | Shinzo Vol. 45; no. 12; pp. 1525 - 1528 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2013
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.45.1525 |
Cover
Summary: | 66歳の女性が, NYHA分類 Ⅱ度呼吸困難にて受診した. 身長156cm, 体重55kg (この 1カ月で 2 kgの増加) . 脈拍70/分・整. 血圧120/70mmHg. 意識清明. 頸静脈の怒張は. 心音は心尖部に Ⅳ音, 第 4肋間胸骨左縁にLevine Ⅱ度の収縮期雑音を聴取した. 肺ラ音は認めず, 肝脾腫認めず. 下肢に圧痕性浮腫を認めた. 血清BNP 872pg/mL. 心エコー検査で, 心室腔が 2腔あるようにみえ, 当初, 左室二腔症などの心奇形を疑った. 心臓の形態把握のため, 心臓MRI検査を行ったところ, 心室中部が著しく肥大し, 収縮期に完全閉塞となり, 心室中部閉塞性肥大型心筋症と診断した. また, 心室中部閉塞部の血流観察にて, 心尖部から心基部へ向かう血流のピークは遅れ, 拡張期の時相になっても心基部へ向かう異常な血流が描出された. 心臓MRI検査は, 心室中部閉塞性肥大型心筋症の心臓の形態学的評価のみならず, 心臓内の血行動態評価も含めた病態の評価にも有用であった. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.45.1525 |