学校検診で発見されたScimitar症候群の1女子高校生

症例は15歳, 女性. 高等学校検診時の胸部X線写真にて異常陰影を指摘され, 当院紹介受診となった. それ以前の学校検診, その他の機会では異常所見を指摘されたことはなかった. また, 体重, 日常生活, 運動などでは他の生徒と全く同じ生活をしていた. 胸部X線写真では右肺門部に異常陰影を認め, 胸部造影3D-CTでは右肺に拡張した肺静脈を認めた. 還流先の大部分は下大静脈であり, Scimitar症候群と診断された. 心臓カテーテル検査では肺体血流比3.20, 肺小血管抵抗値0.7wood単位・m2であり手術適応となった. Scimitar静脈-左房吻合術を行い, 経過は良好である. Sci...

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Published inShinzo Vol. 48; no. 10; pp. 1152 - 1156
Main Authors 鈴木, 保之, 村上, 秀一, 島田, 美智子, 村上, 礼一, 蝦名, 尚典, 富田, 泰史, 鈴木, 秀和, 福田, 幾夫, 福田, 和歌子, 奥村, 謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2016
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.48.1152

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Summary:症例は15歳, 女性. 高等学校検診時の胸部X線写真にて異常陰影を指摘され, 当院紹介受診となった. それ以前の学校検診, その他の機会では異常所見を指摘されたことはなかった. また, 体重, 日常生活, 運動などでは他の生徒と全く同じ生活をしていた. 胸部X線写真では右肺門部に異常陰影を認め, 胸部造影3D-CTでは右肺に拡張した肺静脈を認めた. 還流先の大部分は下大静脈であり, Scimitar症候群と診断された. 心臓カテーテル検査では肺体血流比3.20, 肺小血管抵抗値0.7wood単位・m2であり手術適応となった. Scimitar静脈-左房吻合術を行い, 経過は良好である. Scimitar症候群は稀であるが, 平成15年4月よりの集団検診のあり方と文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.1152