顔面浮腫を契機に受診され診断に至った結核性心膜炎の1例
症例は84歳男性.他院での健診で顔面浮腫,心拡大を指摘され,2次健診として当科外来紹介となった.視診にて顔面浮腫を認め,心エコー上全周性の心囊液貯留を認めたため,精査目的に入院となった.血液検査所見上腫瘍マーカーや抗核抗体が高値であり,腫瘍や膠原病に伴う心囊液貯留を疑ったが,画像上は明らかな腫瘍性病変を指摘できなかった.心囊穿刺の結果,抗酸菌培養・塗抹は陰性であったがAdenosine deaminase 52 IU/Lと高値であり,臨床的に結核性心膜炎と判断し,抗結核薬4剤併用による治療を開始した.その後は心囊液貯留も改善し良好に経過している....
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Published in | Shinzo Vol. 49; no. 11; pp. 1155 - 1159 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.11.2017
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.49.1155 |
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Summary: | 症例は84歳男性.他院での健診で顔面浮腫,心拡大を指摘され,2次健診として当科外来紹介となった.視診にて顔面浮腫を認め,心エコー上全周性の心囊液貯留を認めたため,精査目的に入院となった.血液検査所見上腫瘍マーカーや抗核抗体が高値であり,腫瘍や膠原病に伴う心囊液貯留を疑ったが,画像上は明らかな腫瘍性病変を指摘できなかった.心囊穿刺の結果,抗酸菌培養・塗抹は陰性であったがAdenosine deaminase 52 IU/Lと高値であり,臨床的に結核性心膜炎と判断し,抗結核薬4剤併用による治療を開始した.その後は心囊液貯留も改善し良好に経過している. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.49.1155 |