心臓MRIが冠動脈インターベンションの治療戦略に有用であった急性心筋梗塞の1例

発症後24時間以上を経過して入院した70歳代,男性の急性前壁心筋梗塞症例で今後の治療方針を決定するため,心臓MRIを行った.シネモードで前壁の一部に無収縮を認めた.薬物負荷心筋パヒュージョンで後側壁に心筋虚血を認め,引き続いて行った遅延造影で前壁に貫壁性心筋梗塞を認めた.同時に行った非造影whole heart coronary MR Angiographyでは対角枝の完全閉塞と後側壁枝の高度狭窄を認めた.後日行った冠動脈造影で同様の所見を認めた.MRIの所見より対角枝領域には心筋バイアビリティはないと判断し,心筋虚血を認めた後側壁枝のみに冠動脈インターベンションを行った.心臓MRIは冠動脈疾...

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Published in心臓 Vol. 42; no. 3; pp. 345 - 349
Main Authors 笠松, 謙, 坊岡, 進一, 野尻, 庸功, 九鬼, 新太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2010
日本心臓財団
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Summary:発症後24時間以上を経過して入院した70歳代,男性の急性前壁心筋梗塞症例で今後の治療方針を決定するため,心臓MRIを行った.シネモードで前壁の一部に無収縮を認めた.薬物負荷心筋パヒュージョンで後側壁に心筋虚血を認め,引き続いて行った遅延造影で前壁に貫壁性心筋梗塞を認めた.同時に行った非造影whole heart coronary MR Angiographyでは対角枝の完全閉塞と後側壁枝の高度狭窄を認めた.後日行った冠動脈造影で同様の所見を認めた.MRIの所見より対角枝領域には心筋バイアビリティはないと判断し,心筋虚血を認めた後側壁枝のみに冠動脈インターベンションを行った.心臓MRIは冠動脈疾患の治療戦略を考えるうえで有用であると考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.42.345