小林論文に対するEditorial Comment
心膜原発腫瘍は, 稀な疾患であり, その確定診断は難しい. 最終的には組織学的診断が必要であるものの, 心膜生検のためには開心術が必要であり, 術前に画像診断により心膜腫瘍の可能性を評価しておくことが望ましい. 小林論文では, 心膜悪性中皮腫の診断に18F-FDG PET/CTが有用であったことが報告されている. これまでにも, 18F-FDGは, 胸膜および腹膜の悪性中皮腫に, よく集積することが報告されている1). 18F-FDGは, 放射性同位元素である18Fによってfluorodeoxy glucoseを標識したグルコースの類似体である. FDGは, ブドウ糖輸送担体(glucose...
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Published in | Shinzo Vol. 44; no. 10; p. 1287 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.10.2012
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.44.1287 |
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Summary: | 心膜原発腫瘍は, 稀な疾患であり, その確定診断は難しい. 最終的には組織学的診断が必要であるものの, 心膜生検のためには開心術が必要であり, 術前に画像診断により心膜腫瘍の可能性を評価しておくことが望ましい. 小林論文では, 心膜悪性中皮腫の診断に18F-FDG PET/CTが有用であったことが報告されている. これまでにも, 18F-FDGは, 胸膜および腹膜の悪性中皮腫に, よく集積することが報告されている1). 18F-FDGは, 放射性同位元素である18Fによってfluorodeoxy glucoseを標識したグルコースの類似体である. FDGは, ブドウ糖輸送担体(glucose transporter; GLUT)により細胞内に取り込まれ, 解糖系のhexokinaseにより代謝されるが, それ以上代謝されないため細胞内に滞留する. その結果, 全身の糖代謝を画像化することができる. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.44.1287 |