ミュータンスレンサ球菌レベル算定用の改良選択培地の有効性評価

近年, ミュータンスレンサ球菌の算定・検出用に多用されているMSB培地の欠点(選択性不良)を改善した改良型MSB培地が開発された.本研究では, 改良型MSB培地の選択性の有効性を分析し, その改良MSB培地を用いて, 唾液中のStreptococcus mutans (S. mutans)およびStreptococcus sobrinus (S. sobrinus)菌数レベルとう蝕有病との関連性の検討を行い, 以下の結論を得た.1.唾液中のS. mutansおよびS. sobrinusの検出者率と平均検出菌数は, 従来型と改良型の両培地ではほとんど差が認められず, 改良培地で若干ながらともに増...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 55; no. 2; pp. 89 - 94
Main Authors 福島, 和雄, 後藤田, 宏也, 井田, 博久, 小林, 清吾, 水野, 恭子, 有川, 量崇, 上江洲, 香實, 田口, 千恵子, 斎藤, 美芽子, 門澤, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2005
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.55.2_89

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Summary:近年, ミュータンスレンサ球菌の算定・検出用に多用されているMSB培地の欠点(選択性不良)を改善した改良型MSB培地が開発された.本研究では, 改良型MSB培地の選択性の有効性を分析し, その改良MSB培地を用いて, 唾液中のStreptococcus mutans (S. mutans)およびStreptococcus sobrinus (S. sobrinus)菌数レベルとう蝕有病との関連性の検討を行い, 以下の結論を得た.1.唾液中のS. mutansおよびS. sobrinusの検出者率と平均検出菌数は, 従来型と改良型の両培地ではほとんど差が認められず, 改良培地で若干ながらともに増加した.一方, ミュータンスレンサ球菌以外のレンサ球菌(Non-MS菌)の検出者率および平均検出菌数は, ともに改良培地において有意に低い値を呈した.MSB培地と改良MSB培地における検出菌数の比較は, S. mutansおよびS. sobrinusでは正の相関が認められた.2.総レンサ球菌に占めるS. mutansの割合が低い群と高い群の間の平均DMFTに有意な差が認められた.また, S. sobrinusの非検出者群と検出者群の平均DMFTにおいても, 両群間の値に有意な差が認められた.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.55.2_89