人工膝関節全置換術患者の早期退院後のセルフチェックシートを用いた疼痛管理は術後早期の疼痛および関節可動域増悪の防止に有効である

【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)患者の早期退院後のセルフチェックシートを用いた疼痛管理が術後早期の疼痛および関節可動域増悪の防止に有効かを検討することである。【方法】対象はTKA 患者55 名とし,セルフチェックシート介入群28 名(以下,介入群),コントロール群27 名に無作為に分類した。両群に退院後の疼痛管理方法を指導し,介入群にはさらにセルフチェックシートを配布し記載するよう指導した。評価項目は歩行時痛,階段昇降時痛,膝関節可動域とし,各項目の術後5 日と術後2 週の差の比較を2 標本t 検定を用いて行った。【結果】介入群ではコントロール群と比較し,術後2 週目の歩行時痛,階段...

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Published in理学療法学 Vol. 43; no. 6; pp. 461 - 468
Main Authors 岡, 智大, 飛山, 義憲, 和田, 治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2016
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)患者の早期退院後のセルフチェックシートを用いた疼痛管理が術後早期の疼痛および関節可動域増悪の防止に有効かを検討することである。【方法】対象はTKA 患者55 名とし,セルフチェックシート介入群28 名(以下,介入群),コントロール群27 名に無作為に分類した。両群に退院後の疼痛管理方法を指導し,介入群にはさらにセルフチェックシートを配布し記載するよう指導した。評価項目は歩行時痛,階段昇降時痛,膝関節可動域とし,各項目の術後5 日と術後2 週の差の比較を2 標本t 検定を用いて行った。【結果】介入群ではコントロール群と比較し,術後2 週目の歩行時痛,階段昇降時痛,膝関節屈曲可動域が有意に改善していた。【結論】セルフチェックシートを使用することで,TKA 患者の在院日数の短縮化を図るうえで課題となる早期退院後の疼痛,関節可動域の増悪が防止できる可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11171