廣田論文に対するEditorial Comment

急性心筋梗塞を含む急性冠症候群に対する冠血行再建では速やかな再灌流が重要で, 冠動脈バイパス術(CABG)より緊急での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が選択される場合が多く, 特にPCIの進歩により緊急CABGが選択される症例は少なくなってきている. しかし, 日本循環器学会のガイドラインでは非ST上昇型急性冠症候群でPCIが技術的に困難で, 虚血発作が持続し薬物抵抗性で, 虚血範囲の大きい(LMTあるいはLAD近位部高度狭窄など)患者ではハートチームで協議の上で, 早期のCABGがClass Iで推奨されている. 一般的に緊急CABGは待機のCABGに比べ手術成績は悪く, 日本胸部外...

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Published inShinzo Vol. 53; no. 11; pp. 1221 - 1222
Main Author 深原, 一晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.11.2021
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.53.1221

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Summary:急性心筋梗塞を含む急性冠症候群に対する冠血行再建では速やかな再灌流が重要で, 冠動脈バイパス術(CABG)より緊急での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が選択される場合が多く, 特にPCIの進歩により緊急CABGが選択される症例は少なくなってきている. しかし, 日本循環器学会のガイドラインでは非ST上昇型急性冠症候群でPCIが技術的に困難で, 虚血発作が持続し薬物抵抗性で, 虚血範囲の大きい(LMTあるいはLAD近位部高度狭窄など)患者ではハートチームで協議の上で, 早期のCABGがClass Iで推奨されている. 一般的に緊急CABGは待機のCABGに比べ手術成績は悪く, 日本胸部外科学会からの年次報告でも単独CABGの待機手術での30日死亡率は1.0%に対して緊急手術になると5.7%とかなり高くなっている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.53.1221