経皮的冠動脈形成術後患者における継続的運動療法と心血管イベントとの関係
目的 : 当院では2009年度より通院による心臓リハビリテーション外来を開始している. 今回, 経皮的冠動脈インターベーション施行患者において継続的な運動療法が, 心血管イベントの発生にどのような影響を与えるか検討した. 方法 : 対象は, PCI施行後に心リハ外来を受診し, 心肺運動負荷試験を初回心リハ外来受診時, および2年後に施行し得た男性患者263名. 運動処方後に, 自宅で3回/週以上, 30分/回以上の運動継続ができていた患者を運動継続群, それ以外の患者を非運動継続群と分類した. 両群間において嫌気性代謝閾値 (AT), 最高酸素摂取量 (peak VO2) を比較検討した. さ...
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Published in | 心臓 Vol. 48; no. 10; pp. 1142 - 1149 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
日本心臓財団・日本循環器学会 |
Subjects | |
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Summary: | 目的 : 当院では2009年度より通院による心臓リハビリテーション外来を開始している. 今回, 経皮的冠動脈インターベーション施行患者において継続的な運動療法が, 心血管イベントの発生にどのような影響を与えるか検討した. 方法 : 対象は, PCI施行後に心リハ外来を受診し, 心肺運動負荷試験を初回心リハ外来受診時, および2年後に施行し得た男性患者263名. 運動処方後に, 自宅で3回/週以上, 30分/回以上の運動継続ができていた患者を運動継続群, それ以外の患者を非運動継続群と分類した. 両群間において嫌気性代謝閾値 (AT), 最高酸素摂取量 (peak VO2) を比較検討した. さらに両群間における2年間の心血管イベント (心血管死, 新規狭窄病変, 再狭窄) 発生率を調査した. 結果 : 運動継続群は177名 (67.3%), 非運動継続群は86名 (32.7%) であった. 運動継続群ではAT, peak VO2ともに有意な改善が認められた. また, 運動継続群においては心血管イベントの発生, 特に新規病変の発生が有意に低率であった (p<0.01). 多変量解析を行ったところ, 継続的運動療法が心血管イベントの発生と有意に関連していた (p<0.01). 結語 : 継続的な運動療法は運動耐容能を改善させ, PCI後の心血管イベントの発生を減少させる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.1142 |