アジア初の国際クマ会議は世界に,そして地域住民に開かれた会議であったか

「はじめに」先日, 会議が行われたホテルに足を踏み入れる機会がありました. 熱い議論が交わされた口頭発表の会場, にぎやかな談笑が聞こえた休憩場, 殺気立った空気が充満していた実行委員の部屋…. 静かな空間を前にして, 私の目には会議の光景が鮮明によみがえるのでした. 今回は会議の印象を記させていただくことになりましたが, 発表内容についてはもちろんのこと, 準備が大変だったことから失敗したことまで, 記憶をたどればきりがありません. そこで, 「アジアから世界へ, そして地域住民に開かれた会議であったか」という観点から, IBA2006Japanを振り返ってみることにしました. アジアは未知...

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Published in哺乳類科学 Vol. 46; no. 2; pp. 231 - 232
Main Author 玉谷, 宏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本哺乳類学会 2006
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Summary:「はじめに」先日, 会議が行われたホテルに足を踏み入れる機会がありました. 熱い議論が交わされた口頭発表の会場, にぎやかな談笑が聞こえた休憩場, 殺気立った空気が充満していた実行委員の部屋…. 静かな空間を前にして, 私の目には会議の光景が鮮明によみがえるのでした. 今回は会議の印象を記させていただくことになりましたが, 発表内容についてはもちろんのこと, 準備が大変だったことから失敗したことまで, 記憶をたどればきりがありません. そこで, 「アジアから世界へ, そして地域住民に開かれた会議であったか」という観点から, IBA2006Japanを振り返ってみることにしました. アジアは未知で広い 私がIBA2006Japanに関わり始めたのは, 会議への招聘演者と会うため, タイとマレーシアへ飛んでからでした. 2005年2月と2006年3月のことです. タイでは, 違法取引されていたツキノワグマUrsus thibetanusとマレーグマUrsus malayanusを野生復帰させるという話を聞きました.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.46.231