冠動脈造影で造影遅延を認める軽度狭窄をOCTで観察した1例
症例は84歳男性. 呼吸困難を主訴に外来受診された. 診察所見, 検査所見から心不全と診断し, 入院となった. その際施行した採血で高感度トロポニンI上昇と心エコーで下壁基部の新規に壁運動低下が認められていたため, 心不全加療後に待機的に冠動脈造影検査を施行した. 右冠動脈 (#2) に軽度狭窄を認め, 同病変より末梢は造影遅延があり, 左前下行枝からの側副血行路を認めていた. 冠動脈病変が心不全の病態と考えられ, 右冠動脈に対する経皮的冠動脈インターベンションを施行した. 光干渉断層法 (OCT) で, 病変部を観察すると, 蜂巣状のマイクロチャンネルを認め, 真腔の径は1.3mmと高度の狭...
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. 9; pp. 1083 - 1089 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.1083 |
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Summary: | 症例は84歳男性. 呼吸困難を主訴に外来受診された. 診察所見, 検査所見から心不全と診断し, 入院となった. その際施行した採血で高感度トロポニンI上昇と心エコーで下壁基部の新規に壁運動低下が認められていたため, 心不全加療後に待機的に冠動脈造影検査を施行した. 右冠動脈 (#2) に軽度狭窄を認め, 同病変より末梢は造影遅延があり, 左前下行枝からの側副血行路を認めていた. 冠動脈病変が心不全の病態と考えられ, 右冠動脈に対する経皮的冠動脈インターベンションを施行した. 光干渉断層法 (OCT) で, 病変部を観察すると, 蜂巣状のマイクロチャンネルを認め, 真腔の径は1.3mmと高度の狭窄を認めた. 2.25mmのバルーンで前拡張し, 2.75mm×15mmのエバロリムス溶出性ステントを留置すると, 造影遅延は改善し, 末梢まで良好に造影された. 造影上の軽度狭窄が造影遅延を伴った原因として, OCTで蜂巣状の内腔構造が示唆された症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.1083 |